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【レポート】親子のてつがくカフェvol.2 第2回 

3月20日(日)に行われました親子のてつがくカフェの様子をレポートします。
 今回から新たな試みとして、参加者全員がひとつの輪になってのてつがくしてみました。親子一緒にてつがくするとどんなことが起きるのか。親の前、子の前で自由にてつがくできるのか。そんなことを考えながら、今回のてつがくカフェ当日を迎えました。
前回から引き続きの参加者が「てつがくするぞー」というよい雰囲気を作ってくれていたように思います。
【レポート】親子のてつがくカフェvol.2 第2回 
今回の親子のてつがくカフェ、当日は以下のように進みました。
1.ゲームしながら輪になろう
2.コミュニティーボールで遊ぼう
3.子どもてつがくの説明?
4.お話の読み聞かせ
5.てつがくタイム
6.対話の振り返り

まず初めに「しゃべらないで、誕生日順に並んでみよう」「コミュニティーボールで遊ぼう」(ゆっくり投げよう、渡す人の名前を呼びながら投げよう)というアイスブレイクをしました。
使ったコミュニティーボールはもちろん前回みんなで作成したものです。ボールを回しながらしゃべることにも慣れてきたかなと思います。
その後「子どもてつがくとは何か」「この場はどんなことを大切にしているのか」を確認し、前回のてつがくカフェでは「ドッチボールのルール」について話したよねと振り返りをした後、新しいお話を読みました。今回のお話は次のようなものでした。

『きみのうちでは、テレビやゲームは1日1時間だけと決まっている。でもきみはもう少しテレビが見たい。さて、ママにどうやって言えばみせてもえるかな?』
【レポート】親子のてつがくカフェvol.2 第2回 

おはなしが終わるとすぐに、「はいはいはい!」と興奮しながら挙手するAくん。これまでのてつがくカフェでは、話したくなるまでに時間がかかる様子でしたが、今回はてつがくタイムに入るなり、話したくてたまらなくなっている様子でした。子どもにとって身近で、切実テーマだったのだと思います。前回「ドッチボールのルール」について話すなかで、少し話し足りない感じがあったので、その流れを汲みつつ、今回のおはなしではおうちでの具体的なルールについて取り上げました。
では、対話で話された内容を紹介します。

Aくん「テレビ1時間しかみちゃだめというお母さんを叱る。夜にこっそり隠れて見る。」
Bくん「そうじゃばくて、テレビ見せてくださいってお願いすればいいと思う。そうしたら大人も考えてくれる。」

また、別の場面では「Aくんの持っているおもちゃを貸してほしい」「いや、僕のものだから貸したくない」と言い合いになった後、
「Aくんは自分のお母さんに『テレビ見たい』って伝えても、『だめ』って言われるのは納得できないんよね。
でも、君がおもちゃ貸してって言われても検討もせず『嫌、だめ!』って頭ごなしにいうのってお母さんと同じじゃない?」
と問いかけられるとAくんはおもちゃを渋々貸してあげて、「本当は(貸してあげるの)嫌だったけど、だって、母さんがゲームやらしてくれないから、貸してやったんだよ!」とお母さんに伝えます。これを受けて
Aくんお母さん「すごい、グサッときた。ちゃんと貸してあげたね、やさしい。」
Aくん「いえい、母さんの胸に矢が刺さった」 Aくんお母さん「刺さったよ。優しい! けどさ~」
Aくん「やっぱりだめだ~!!!」 Bさん「お話聞こう、お母さんの気持ち、なんでだめって言うんだ?」

こんな風に対話は進みました。今回、お母さんにぐさっとくるような発言、ふるまいができたAくん。この後も、
「えっとさ、かあさん。かあさんがいつもビール2個飲んでて、おれは休みの日一個しかテレビ見れないんだよ。だからさ、かあさんのビール2個はさ、普通は0個で普通は飲んじゃだめで休みの日は1個だけ飲んでいいってことに、決定する!」とお母さんへの新しいルールを決めようとする姿がありました。最後の振り返りでも「母さんをグサッとさせられて良かった」と満足げでした。子どもはまだ言葉が拙くて、大人に言いくるめられてしまうことも多いと思います。だからこそ、対等な立場で丁寧に問い直すてつがく対話の場で、グサッとする一言が言えると嬉しいのだと思います。
また、こんなAくんの姿をみて「ぐんぐん変わって、どんどんいい子になっていっている」と言い表すCくん。テレビについては見すぎると気持ち悪くなるということを強く主張しつつも、「ほんとに見るには車で行くしかないけど、テレビがあるから見られて、頭が良くなるんじゃないかってことある。」とテレビの良さの面からも語っていました。
そして、「いい子じゃない子どもは、自分の好きなやつとか勝手にすると思う。大人が(いい子じゃない子どもを)怒っているのは好きだから。大人になるために怒っている。」と話していました。多面的で大人びたものの見方にびっくりさせられました。

他には
・そもそもテレビって良いもの?悪いもの?
・テレビ、ゲームとどう付き合えばいいんだろう?
・子どもはテレビ見ているよりももっとやることがあるんじゃない? 
・親の責任として子どものテレビとの付き合い方をコントロールすべきなのか?
・子どもの自由に好きなようにさせたらどうなるだろう?
・テレビを制限しぎると反動で大人になってからテレビ漬けになる?
・いい子ってどういうこと?親の都合のいい子ってなってない?
なんてことが語られました。
【レポート】親子のてつがくカフェvol.2 第2回 
てつがく対話後、休憩を挟んで再び全員で輪になって、対話の振り返りや感想を言い合いました。
「前回から子どもの言い分が聞きたいなと思っていた。今回、大人子ども一緒にてつがく対話してみてお互いに思っていることを語り合えて楽しかった。」
「大人がすべてコントロールしなくても、子ども自身で良い悪いの判断ができるのではないか。子供の考える力を信じ、意見を尊重することが大事だと思った。」
「身近な話題で話しやすかった。子どもの語りを聞き取るのは難しいと思った。自分の考えを主張するなかで、なぜそう考えるのかが気になってしまう時間だった。」「ゲームをするときのいろんなことを思い出せて面白かった。」「ゲームの話して、かあさんがぐさっときたから嬉しかった。」という感想が話されました。

今回の親子てつがくカフェでは、参加者同士の対話が多く、深くゆっくり探求できたように思います。
でも、どこかで道徳的であることを子どもに求めてしまっている自分がいるなということにも気が付きました。
前提をとっぱらって、自由に、根本を問い直す。てつがくって難しくてやりごたえがあるなと改めて感じました。
まだまだ挑戦し続けたいなと思います。
イベント後は椅子を組み合わせて秘密基地づくり。宇宙船だそうです。
【レポート】親子のてつがくカフェvol.2 第2回 
次回の開催は4月16日㈰ 開催です。
皆様のご参加をお待ちしております。
詳細は下記リンクからイベントページをご覧ください。
https://www.facebook.com/events/118908488649848/?ti=icl
文責:丸山




2017年04月06日 Posted byCREEKS COWORKING at 21:10 │Comments(0)

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