巻き込むコツは「共感」にあり - 「アイデア村(ソン)-観光篇-」レポート
こんにちは、CREEKSスタッフの竹内です。
突然ですがみなさんは株式会社文化事業部という会社をご存知でしょうか?
長野市若穂保科を拠点とし、「里山文化の再生・継承」を目的とした「かのやまプロジェクト」を掲げ、
築110年以上の古民家をDIYで修復しながら約6000坪もの土地で
・野菜や果樹の無農薬・減農薬栽培
・羊やヤギ、ウサギなど動物を飼育し羊毛などの利用
・ツリーハウス製作
・地域巡りで健康を目指すノルディックウォーキング
など、次々と新しい取り組みを行うパワフルな企業です。
今回の「アイデア村(ソン)-観光篇-」ではこの文化事業部を舞台とし、
フィールドワークやワークショップを通して課題解決を目指します!
代表取締役を務めるのはセーラ・マリ・カミングスさん。
アメリカ・ペンシルバニア出身。
1995年より小布施町の栗菓子・日本酒の老舗「小布施堂」に所属。
一企業のみならず小布施町全体のまちづくりに参画し、
欧米人として初めて「利き酒師」の資格を取り、桝一市村酒造場から日本酒の木桶仕込みの復活に尽力。
また今や人口1万1000人の町に参加者7500人が集まる「小布施見にマラソン」の発案者でもあります。
2013年に株式会社文化事業部を小布施堂から分離し独立、
今の保科に拠点を移しました。
第一部:フィールドワーク
まず最初のフィールドワークとして文化事業部の古民家周辺を見学。
セーラさんに案内していただきました。ユーモアも交えながらこの土地に来た経緯や各活動の説明。
その中でも「ここから里山をより良くしていきたい」という強い想いが伝わってきます。
建設中のツリーハウス。
ゆくゆくは地元の子どもたちの遊び場としても使いたいそう。
課題としてあるのは「収益性」。
リンゴのオーナー制度や古民家でのイベント企画、セーラさんご自身での講演活動などで売上確保を目指しますが、やはりまだ難しい面があるとのこと。
さらに資金調達や協力者を増やすべく新しくクラウドファンディングも検討しているものの、やりたいことが多い反面どこに焦点を当てればいいのか分からない、というのが課題なようでした。
第二部:キーノートスピーチ「株式会社kedama代表/シェアビレッジ村長 武田昌大さん」
フィールドワークで文化事業部の現状をインプットした後はキーノートスピーチによる学び。
今回のゲストは秋田の米農家とともに「トラクター×男前集団」を謳った「トラ男」を立ち上げ、
最近は秋田県五城目町や香川県三豊町仁尾町の古民家を「村」に見立て、クラウドファンディングを通して900万円近くの資金調達と1500人もの会員である「村民」を集めた「シェアビレッジ」の村長である武田昌大さん!
文化事業部が検討しているクラウドファンディングを駆使し、プロジェクトを加速させたその極意を会場では惜しげもなく披露してくれました。
「プロジェクトを次々と成功させた」印象が強いですが、過去クラウドファンディングで金額が集まらず失敗したことも。
そこから原因を分析・改善、あの「シェアビレッジの」したからこそ分かるノウハウが会場では公開されました。
昨年実施された「シェアビレッジ」のクラウドファンディングの最終的な様子。
目標金額の571%達成という数字からその爆発的な拡散具合が見て取れます。
中でも印象に残ったのは「共感」というワード。
ただ「良いことやってるね」で終わらせない、他プロジェクトに埋没しないようにさせる打ち出し方。
「面白そう!」と参加したくなるような仕組み作り。
「そのプロジェクトで自分が何を得られるか?」をイメージできるよう分かりやすく言語化すること。
それらのポイントを徹底して押さえ、いかに「共感」を生み「このプロジェクトに関わってみたい(=応援したい!)」と見た側に思わせるか。
武田さんの場合はターゲットを絞った上で「シェアビレッジ」「村民」「年貢」「寄合」という端的でイメージしやすいネーミング、仕組みをデザインすることで、他の古民家改修プロジェクトと差別化に成功。
また募集金額による拡散具合の違いやSNSの活用法など門外不出のノウハウが詰まっており、クラウドファンディング成功させプロジェクトを大躍進させたその戦略を窺い知ることができました。
第三部:アイデアソン
フィールドワーク、キーノートスピーチという二つの「インプット」を経て、
いよいよ「アウトプット」であるアイデアソン!
ここでは「文化事業部でのクラウドファンディングのプロジェクト」を実際に考えてもらいました。
まず本日の学びを可視化する「個人ワーク」、
そしてそれらを共有する「ペアワーク」で考えをアイデアにまとめていき、
その後個々で「文化事業部のクラウドファンディングでの打ち出し方」を具体的なプロジェクトに落とし込んでいきます。
書き終わったらそれらを机上に並べ、参加者でアイデアを厳選。
投票により支持が集まった4アイデアを、今度がグループで洗練、具体化させていきます。
話し合いも過熱し、会場もかなりの熱気に!
アドバイザーとしてセーラさん、武田さんも参加。
更なる情報やアドバイスから、アイデアの肉付け、洗練がさらに加速します。
そしてついに作り上げたプランを発表!
ツリーハウスに焦点を当てて、都心部の親子をターゲットにしたものや無農薬・減農薬栽培の会員を募集するもの、また動物との交流や農業、DIY体験をウリにしたものなど、それぞれ特色ある打ち出し方のプランが誕生しました!
最後にセーラさん、武田さんによる講評。
第三者からの視点が入ったプラン発表は新鮮だったようでした。文化事業部では今回のアイデアも参考にしながら、来年にクラウドファンディングを実施する予定とのこと。
最後は参加者、スタッフらで懇親会!
イベントの裏で自家製のピザやアップルパイを作っていただきました!
13時から18時までという長丁場の企画ながら、参加者・スタッフ・ゲスト全員で走り抜けました。
里山から現代社会に問いかけるように日々挑戦を続ける株式会社文化事業部。
そして農村文化の良さを再発見し、再生・継承に取り組むセーラさん。
これからどんな「共感」を生み広がっていくのか、今後も注目です!
writer:竹内(facebook)
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■フィールドワーク先住所:長野県長野市若穂保科4455
■スピーカー
武田昌大さん
HP:シェアビレッジプロジェクト
■CREEKS COWORKING NAGANO
〒380-0845 長野市西後町町並1583 リプロ表参道ビル2階
平日 / 9:00-22:00 , 土 / 9:00-18:00(日祝定休)
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